2022年05月17日
イスラエルハイテクマーケットNGLI TechScouting Program | Summary Q2 2021
Hi-Tech Market Highlight
- 2021年Q2サマリー:$6.52bを調達、前年比3倍の成長
2021年はQ2$6.52bを調達, Exit (IPOおよび M&A) は2倍に 現在イスラエルに存在する71のユニコーンのうち35が今 年誕生した。 - フィリップスは家電事業など売却し、ヘルスケア事 業にフォーカス。イスラエルは海外主要R&D拠点
CEOは医療データ処理や画像診断をはじめとするイスラ エルのデジタルヘルススタートアップの買収と協業が同 社を強化したと語る。 - なぜイスラエル企業はSPACに注目しているのか
2020年からSPAC(特別買収目的会社)を通じたイスラエル企業のIPOが急増している。パンデミックでサイ バーセキュリティー、オートメーション、DX技術などイスラエルが得意とする多くの技術分野が注目を浴 びており、市場の波にいち早く便乗するための手段として注目されている。SPACはイスラエルハイテクエ コシステムに何をもたらしているのだろうか。 SPACが創業者側にもたらすメリットは多い。市場動向の影響が小さいこと、持株率を維持しやすいこと、 IPOコストが低いこと、プロセスが通常のIPOよりも短くコントロールしやすいことなどが挙げられる。例 えば自律走行ナビゲーションのInnoviz CEOはこの手段でIPOを進めたことにより保守的な大手顧客へ安心 感を与え、顧客獲得と急成長に役立ったと語る。また通常のIPOでは個人投資家がとるリスクを、SPACで はスポンサー投資家がとる。これらスポンサーは多くの場合、すでに成功を経験した起業家やビジネスマ ンで彼らがプロセスをリードすることによって目先の資金調達よりもロングタームの成長を目指す。つま りイスラエルエコシステムの成熟も意味する。このような企業と協業する際には、SPACを通じてのIPOは 情報開示や説明手続きが大幅に簡素化されていること、IPO自体のデメリットを念頭に置き、企業実績が過 大評価されていないか冷静に判断しなければならない。
Japan - Israel Business
- サン電子が主要株主のCellebriteがSPACを利用しNasdaqに上場。評価額は2.4b
- DICが地熱による藻類培養のVAXAに投資
- MS&ADが植物の異常を可視化するInnerPlantに投資
- カメラ画像による小売棚分析Traxがソフトバンク、ソニーなどから$640mを調達
- 住友商事がゲノム翻訳プラットフォームGenoox に投資
- ソニーがゲーム内3D広告のAnzu.ioに投資
- ECストア保険のParametrixが損保ジャパンから調達、業務提携
- 自動車サイバーセキュリティのUpstream SecurityがMS&ADや三井住友海上などから$36m調達
- 顔画像非識別化のD-IDにオムロン、丸紅などが投資、2019年には凸版も出資提携
- デジタル証券のSecuritizeにNTTデータ、三井住友信託銀行などさらなる日系企業から調達
- NTTがイスラエルイノベーション拠点を設立
- NECの出資するHailoが第3ラウンドでユニコーンに、Nasdaq上場目指す
- MUFGが信用履歴のない顧客層向け自動車ローンのLendbuzzへ投資
- ECサイトヒートマップ分析Contentsquareがソフトバンクなどから$500mを調達
M&A and Investment
Automotive
Cybersecurity
- 顧客生体認証のTransmit Securityが$2.2b評価額にて$543mを調達
- API脆弱性から保護するNoname$60m調達
- 産業用制御ネットワークのClarotyが評価額$1bにて$140m調達
- ヘルスケアIOT向けサイバーセキュリティーのCynerioが$30m調達
- 組織向け包括的サイバーセキュリティのDeep Instinctが$100m調達
- 米クラウドインフラ企業がクラウドセキュリティのTrustdomeを買収
- クラウドにおける分散作業向けのTalon Cyber Securityが$26mをシード調達
- オープンソースセキュリティのWhiteSourceが$75mを調達
IT, Enterprise Software
- MR(複合現実)のMultinarityが$28mシードラウンドで調達
- コネクテッドTV広告のInnovidがSPACを通じて上場、$1.3b
- ゲーム開発プラットフォームironSourceが評価額$11bでNYSEへ上場
- パスワードレス認証のTransmit Securityが$543mを調達。Aラウンドとして過去最高
- ウェブデザインプラットフォームDudaが$50mを調達
- 非エンジニア業界向け業務管理ツールmonday.comが評価額$6.8bでNasdaqへIPO
- AI文字起こしVerbitが$1bの評価額で$157mを調達
- 電子商取引詐欺防止のForterが$3b評価にて$300m調達
- ビデオ分析AIのAnyClipが$47mを調達
- データ保護のBigIDが$1.25bの評価で$30mを調達
- APIプラットフォームのRapidAPIが$60mを調達
- ビッグデータ解析のUpsolverが$25mを調達
Fintech
- 有給休暇を現金に換金するSorbetがシードラウンドで$21mを調達
- 中小企業向け財務計画DataRailsは$25mを調達
- 経済的リスクのある患者の管理TailorMedが$20mを調達
- クラウドベースの保険運用効率化Novideaが$30mを調達
- 短期クレジットローンのSunbitが$1.1bの評価で$130mを調達
- 自販機のカード決済Nayaxが$210m調達。過去最高額でTASEにIPO
- 暗号通貨モバイルウォレットのZenGoが$20mを調達
- グローバル給与支払い管理のDeelが$156mを調達、評価額$1.25b
- 株式投資調査のTipRanksが$77mを調達
- 税務コンプライアンスのBlue dotが$32mを調達
Healthcare
- AIによる包括的な薬物投与管理MDI Healthが$6mを調達
- 緊急医療コラボレーションのCarbyneが$20mを調達
- 眼科在宅ホームモニタリングのNotal Visionが$60mを調達
- 虚血性脳卒中の血餅回収デバイスRapid Medicalが$50mを調達
- 心臓超音波検査のUltraSightが$13mを調達
- 血液サンプルからの肺がん早期発見のNucleixが$55mを調達
- ロボット補助手術のMemicが$96m調達後、SPACを通じたIPOを計画
Semiconductor
Retail
Agritech
- 食品廃棄物からPLA(植物由来プラスチック)を製造するTripleWが$5m調達
- 栄養価を向上する種子改良AIのEquinomが$20mを調達
- 天然果汁から糖を減らすBetterJuiceが$8mを調達
- ベストな灌漑を決定するSupPlantが10mを調達
- 糖尿病マイクロバイオーム分析DayTwoが$37mを調達
- ロボット花粉交配Arugga Roboticsが$4m調達
- 植物ベースの培養肉ChunkFoodsが$2m調達